サプライズ決算と急速に戻した日経平均

サプライズ決算と急速に戻した日経平均

先週28日と29日の2日間で約970円前後下げた日経平均も、昨日と今日の2営業日で約700円戻した。この上下激しい値動きの要因として先週末の需給要因が考えられる。1月28日付けの日経市場点描によれば、トピックス算出にかかわる浮動株比率の定期見直しが影響を及ぼしそうだという点である。通常は1~3月決算企業は10月、4~6月企業は翌年1月にトピックスへの影響を修正する。ただコロナの影響で有価証券報告書の提出期限を延長したため、10月30日に調整するはずだった分が1月29日に延期されまとめて見直しの対象となったということである。売りと買いの需要はともに1兆3000億円規模と見込まれていたということであるから、値嵩株は日経への影響が大きいため値下がりの原因となったということも考えられる。まだ2営業日今週経過しただけなので何とも言えないが、今回のように25日移動平均線をわずか1日(1月29日)下回っただけですぐ戻すような強い動きをする場合、調整は短期で終わり、その後上昇するケースが多い。本日2月2日の日経平均は28362円17銭271円12銭高と5日移動平均線も上回ってきており、改めて相場の強さを思い知らされる局面となった。

ところで本日相次ぐ決算発表の中で、注目した決算がありここに紹介することにした。一つは「脱炭素銘柄」で注目していたデンソー(6902)で2021年3月期の連結営業利益を従来予想の1000億から1500億へ修正、国内でトヨタ向けを中心とする電動化製品販売が増加、北米、欧州地域などでも車両販売の回復などで第3四半期に入り利益面が改善した(東京2日 ロイター)。デンソーの決算はお昼前に発表になったため本日は6351円と前日比426円高で終了した。もう一つは資生堂(4911)であるが、今期12月の連結経常利益を従来予想の150億の赤字から95億の黒字に上方修正した。インバウンド消費の低迷から苦戦が予想されていただけにサプライズ決算となり、本日7364円と前日比493円高となった。ただ「巣ごもり消費」の代表格ともいうべき任天堂(7974)はスイッチ、どうぶつの森の記録的販売に支えられ、過去最高の純利益の決算を出したのにもかかわらず、朝高後引けではマイナスで終わり、材料出尽くしともいえる動きになる銘柄も見られた。今後2月3日にはソニー(6758)、4日には三菱重工(7011)、8日にはソフトバンクG(9984)、10日にはトヨタ(7203)と投資家心理に影響を与える企業の決算発表が控えており、今後も注目されるところです。需給要因では本日東証がまとめた1月29日現在の2市場信用取引残高は売り7736億5700万(前週比635億2700万減)買い 2兆7695億8600万(前週比1590億5500万増)信用倍率:3.57倍(前週3.11倍)(ロイター)と少し悪化しています。

*このコラムは筆者の見方を書いたものであり結果を保証するものではありません。