日本の投資、株式市場は激動の2020年

日本の投資、株式市場は激動の2020年

さて今年も残すところあと4日間、株式の取引日数は本日28日を含め3日間となりました。本日は国内株式市場の激動の1年間を振り返ってみたい思います。

2020年1月6日に日経平均は23204円でスタートし、1月17日にはザラ場で24115円95銭を付け、20日には引けで24061円67銭で終わり、2018年10月2日の引けの24270円62銭に迫る堅調な滑り出しを見せていました。ただ、この約1か月前の2019年12月8日、中国当局は湖北省武漢市で、新型コロナウイルスの最初の患者を認定していました。

日本国内では厚生労働省が1月16日、中国の武漢市に滞在し、日本に帰国した神奈川在住の30代の男性から新型コロナウイルスが検出されたと発表しましたが、厚労省は「この男性からの感染で新たな患者が出る可能性は低いと考えている」と説明しています。今考えると2018年10月の高値を寸前のところで抜けなかったことが、その後の展開を暗示していたと言えるでしょう。その後の動きは3月に入り約4500円急落し、3月19日には16552円と2016年以来4年ぶりとなる安値を付け、新型コロナによる世界的な景気悪化、金融危機懸念により、ここ数年ではまれに見る暴落になりました。その後アメリカのFRBをはじめ、日銀等各国の中央銀行が巨額の金融、財政支援を実行し、一時的にコロナも収まったこともあり株価は急回復し、日経平均も9月にはコロナ前の水準を回復しました。

この間コロナがデジタル化を進捗させる見方等もありIT、ネット関連株の上昇を加速させる動きも見られました。

その後、10月末あたりまでは日経平均も大きな動きはない状況でしたが、アメリカ大統領選挙でバイデン候補の勝利確率が高まった11月初めから突然動きだし、途中ファイザー、モデルナ等のコロナワクチン報道で拍車がかかり、11月の1ヶ月だけで日経平均は約3500円上昇し、頭を押さえられていた24000円台を抜けてからの動きはあっという間でした。

なかなか国内の投資家の方でこの動きについていかれた方は多くはなかったのではと想像されます。ただ10月の半ばから11月の初旬にかけて海外投資家の日本株買いが報道されており、今回も上昇過程において日本国内投資家の売りを海外投資家が吸収したという見方もできます。12月9日には日経平均は2万6817円と1991年以来29年ぶりの高値を付けましたがそれ以降は26300円前後を下値に揉みあい状況が続いています。

12月に入り日経平均は上記のようにさほど動きはありませんが、「個別では温暖化ガス排出量を2050年にゼロにする」という政府の方針のもと、環境関連のEV、水素関連、洋上風力発電関連株の上昇が非常に目立ちました。例えば12月初めから大型株の部類にはいる川重(7012)は約40%、デンソー(6902)は約20%、岩谷産業(8088))は約15%のそれぞれの上昇となりました。本日、水素製鉄設備でCO2排出ゼロにという材料が出た三菱重工(7011)も今月約25%位の上昇になっています。

このように、脱炭素の課題は世界的なものでもあり、仮にいったん調整する場面があったにしても、来年以降も大きなテーマの一つで注目すべき材料と考えられます。

さて、来年2021年度の日本株はどのようになるかについて興味のあるところだと思いますが、12月23日付けの「日経新聞」の主要証券の見通しについて野村證券はじめ4社が3万の大台を回復すると予想しています。なかにはみずほ証券のように3月高値を付けた後下落に転じ9月に2万2000円まで下がるとみているところもあり見方は分かれています。

そのあたりについては来年以降詳しく掲載していきたいと思います。

コロナ感染の話題でも「変異種」の感染者が国内で見つかったり。東京での感染者も1000人近くになったりとまだまだ落ち着いていません。

ただ、勝ち組と負け組が明らかになった今年同様、同じ業種でも格差が出てくるそのような年に来年もなると思っています。

今後については株式の指標とかファンダメンタルズ分析、用語等についてもご参考になるような事も掲載していきたいと思います。

また来年お会いしましょう。