今週の総括 週末下落するも引けで3万台維持

今週の総括 週末下落するも引けで3万台維持

本日の日経平均は30017円92践218.17円安で終了した。今週は水~金曜日までの3日間日経平均は続落したが、月、火と上昇したため、先週末に比べて約500円の上昇になった。月曜日15日には30年6か月ぶりに日経平均は3万円の大台を回復し翌日16日にはザラ場では30714円まで上昇した。その後はさすがに利食い優先となり上昇も一休みという状況になった。米国も金利上昇により今まで相場を牽引してきた半導体関連が安くなり、日本国内の市場にも波及し、今まで出遅れていた割安株に対象が移る動きも見られた。上昇の原動力となっていた決算発表もほぼ終わり、目先的には新たな材料が今のところあまりなく、週末にかけて利食い売りも出たこともあり弱含みの展開で終わった。過熱感があるとされる騰落レシオ120から金曜日には3日間の下落もあり100.46まで低下し少しずつ過熱感も解消されつつある。1月には日経平均のPERは26倍台で推移していたが昨日で22.59倍まで低下してきている状況から推測すると、今回業績の悪かった空運、外食等の非製造業の業績が、コロナワクチンの普及等日常活動が正常化してくることにより、よくなってきた場合、日経のPERは更に低下し、日本株の割高感が更に解消される可能性もある。前回までのコラムで再三指摘してきた海外投資家の売買動向については、前週に続いて8日から12日の週も3451億と2週続けての買い越しとなり「昨年11月以降海外勢は3兆2200億近く買い越している」(19日日経より)状況になっている。年金等の長期投資家の海外勢の買い観測もあり、景気敏感株が多い日本株の割安感を評価する記事も見られ始めてきた。なお1月14日のブログで1月8日現在の日経ダブルインバ-ス(1357)ベア型の信用残について説明したが改めてその商品について解説します。この商品は日経平均が1%下がると逆に2%上がるようにできており、相場下落時に有効とされ、しかも普通のETFの2倍動くETFである。この商品の信用残買い残が1月8日現在約1億2767万株、売り残が約375万株ある状況であったがこの時点で買っている方は相場が下がると読んでいる(実際空売りしていると同じ)状況で、評価損を抱えて下がるのを待っている方が多くいるのではないかと説明した。この時点では日経平均は28000円前後だったがそれから約1ヶ月たった2月12日現在の状況は買い残がまだ1億1903万株、売り残は約505万株と買い残が大きく減少していない状況になっています。この状況は現在の投資家心理や投資家の状況をよく表していると考えています。基本的に信用残は期日がきたとか追証が発生して多くの買い残が減少し、評価損抱えている方が諦めて売却した途端株価が急反転するケースがよくあります。今のダブルインバースはまだまだ評価損抱えている投資家が多いと想定され、将来的な買戻し圧力はまだまだあると考えられます。このETFの金額だけみるとそう多くはないですが、全体としてまだこのような傾向はあると思います。

本日現在5日移動平均線の30120.05円は割り込みましたが、25日移動平均線の28978円処を割り込んで本格的に株価が大幅に調整することはブラックスワン【ブラック・スワン (Black swan)は、マーケット(市場)において、事前にほとんど予測できず、起きた時の衝撃(混乱)があまりに大きい事象のことをいいます】が現れない限り少し考えずらい状況ではないでしょうか。

なおまだ少し早いですが3月期末は3月決算で配当取りの時期になります。おそらく来月になると配当取りを狙う動きも出てくると想定されます。とりあえず、来週3万円台を維持し根固めできるのかそのあたりが焦点となりそうです。

*この記事は筆者の見方を記したものであり、将来の利益をお約束するものではありません。