3万円の大台に迫る日経平均とトピックスの高値更新 注目は海外投資家の動き

2月12日の日経平均は29520円07銭42.86銭安とさすがに一休みというところだったが、2月2週目も約740円余りの上昇となった。騰落レシオも3日連続で過熱しているとされる120前後で推移し、予想を上回る好業績上方修正が多くみられた決算発表も主力銘柄はほぼ一巡した。普通であればここから3万円の大台を超えて株価が上昇するには何か新しい材料が出ないと難しく、いつ調整がきてもおかしくない水準だと思われるが、最近の状況を見ていると以前のバブル期とは違い、業績の回復を伴った理にかなう上昇であり、3万円が通過点となる見方をしてもいい状況になったと考えている。12日に東証が発表した2月1日~5日の投資部門別売買動向は海外投資家が3週ぶりに4215億と昨年11月4週以降となる多さで買い越しになった。(個人は4041億の売り越し)なお10日の日経スクランブルでもJPモルガンのトピックス先物を9日までの3日間想定元本約3200億の買いを報じている。「米大手証券大手がトピックス先物を大きく買い増した際は、海外年金など長期投資家の買い注文が入ってきている場合が多い」(10日 日経スクランブル)とも報じており、今後の海外投資家の動向は要注目です。

また、日経平均と共に今まで出遅れていたトピックス(東証株価指数)もバブル後の高値1911ポイントを抜けてきた。日経平均はバブル高値38915円から安値7054円の下げの61.8%戻しの26745円のラインは12月上旬に既に抜いているがトピックスは1989年12月の2884ポイントから安値695ポイントへの下げの61.8%戻しの2048ポイントにはまだ到達していない(2月12日現在1933.88ポイント)。12日日経平均はマイナスで終了したがトピックスはわずかではあるがプラスで引けた。特にバリユー株の代表格とされ前日に好決算を発表したトヨタ(7203)が8413円283円高、三菱UFJ528円60銭11.3円高等の主力銘柄の動きの強さが目立った。

日経平均がバブルの高値を抜けるためには半導体等の成長株の上昇だけではだめで、トピックスに寄与が大きいバリユー株の上昇が寄与しなければ難しいとみていたが、ようやくそのような動きが始まった可能性もあります。

なお13日の日経によると第3四半期の各企業の業績の上方修正により、日経平均のPERが3か月ぶりの低水準23.3倍まで低下し1月中旬の26倍の時と比べて日本株の割高感が薄らいできたとも報じている。ただ、2010年代の15~16倍で推移していた頃と比べるとまだ割高ではありますが。

当面コロナの感染状況、ワクチンの接種等のニュースが気になるとこではあるが最近日本国内、欧米の感染者の減少も報じられてきている。景気敏感株の多い日本株は特に景気回復の恩恵は欧米諸国よりも大きいとみられており、3月にかけてのコロナに対する取り組みは非常に重要になってくるものと思われます。3万円は心理的にも大きな節目であり根固めするのに多少時間がかかるかもしれませんが現在の状況はバブルだと決めつけ、日本株の上昇の持続性をあまり甘く見ない方がいいかもしれません。

*記事は筆者の見方を書いたものであり結果をお約束するものではありません